化粧品ECサイト

(化粧品ECサイト / ターゲット:オーガニック志向の30〜40代女性 / 目的:ブランド認知・D2C売上最大化)

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■ 制作概要・コンセプト

「成分」を売るな、「物語」を売れ。

ECサイトにおける最大の競合は、Amazonや楽天などの巨大プラットフォームです。機能や価格だけで勝負すれば埋もれてしまいます。そこで、あえて「効率的な買い物」をさせないデザイン戦略を取りました。 サイト全体を一つの「ブランドジャーナル(雑誌)」に見立て、美しい写真と詩的なコピーで世界観を構築。商品を「ただの消耗品」から「自分へのご褒美」「ライフスタイルを格上げするアイテム」へと昇華させ、指名買いを誘発するD2C(Direct to Consumer)モデルの成功例を目指しました。

■ デザイン戦略(配色・フォント)

配色:アースカラー(生成り #F5F5F0)と ボタニカルグリーン (#2F4F4F)

  • 色彩心理: 人工的な「真っ白(#FFFFFF)」や「純黒(#000000)」は自然界に存在しない色です。オーガニックの世界観を壊さないよう、背景には無漂白のコットンを思わせる「生成り色」を採用。
  • アクセント: 深い森を連想させるダークグリーンを文字色やボタンに使用し、ラグジュアリーでありながらリラックスできる、高級スパのような視覚体験を提供しています。

フォント:Cormorant Garamond(欧文) + 筑紫明朝(和文)

  • 一般的な明朝体よりも筆の入り抜きが優雅で、オールドスタイルな雰囲気を持つ「筑紫明朝」を採用。
  • 欧文には、洗練されたセリフ体である「Cormorant Garamond」を合わせ、商品パッケージのような高級感をWebフォントで再現しました。

■ UI/UX設計(レイアウトの意図)

「シズル感」を伝えるパララックス(視差効果)

  • スクロールすると、商品ボトルの画像と背景の植物の画像が異なるスピードで動く「パララックス効果」を実装。
  • 2次元の画面内に「奥行き」と「空気感」を生み出し、まるで商品を手に取って眺めているようなリッチな没入感(イマーシブ体験)を提供します。

カゴ落ち(Cart Abandonment)を防ぐマイクロインタラクション

  • 「カートに入れる」ボタンを押した瞬間、小さなアニメーションと共にカートアイコンに商品が吸い込まれる演出を追加。
  • 「買い物をした」という確かなフィードバックをユーザーに返し、購入プロセスの完了率を高めるUXデザインです。また、カートページでは「あと〇〇円で送料無料」というプログレスバーを表示し、アップセル(客単価向上)を狙っています。

■ マーケティング・SEO視点

※ECサイト特有の「売れる」SEO戦略

商品ページ(PDP)の構造化データ「Product」マークアップ

  • すべての商品ページに Schema.org/Product の構造化データを埋め込みました。
  • これにより、Googleの検索結果画面に「価格」「在庫あり/なし」「レビューの星評価(★★★★☆)」が直接表示されます。検索結果一覧の時点で他社サイトよりも目立つため、クリック率(CTR)が大幅に向上します。

「成分 × 効果」の掛け合わせキーワード対策

  • 化粧品ECで最もCVRが高いのは「商品名」検索ですが、その次は「成分名」です。「レチノール 効果」「セラミド 化粧水 オーガニック」といったキーワードに対応するため、成分辞典(Ingredients Dictionary)コンテンツを作成。
  • 各成分ページから該当商品への内部リンクを張り巡らせることで、情報検索で訪れたユーザーを自然に購入ページへ誘導するコンテンツマーケティングを実施しています。

Core Web Vitals(LCP/CLS)の徹底チューニング

  • 高画質画像が多いECサイトは表示速度が遅くなりがちですが、ECにおいて「1秒の遅延は売上の7%ダウン」に直結します。
  • 画像の次世代フォーマット(AVIF/WebP)配信、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の利用、そしてレイアウトシフト(CLS:読み込み中に画面がガタつく現象)をゼロに抑えることで、快適な購買体験とSEO評価を担保しました。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)の戦略的活用

  • Instagramの投稿を「#OrganicBeautyLab」などのハッシュタグ経由で自動収集し、商品ページ下部に「愛用者の声」として表示。
  • さらに、レビュー投稿アプリを導入し、写真付きレビューにはポイントを付与。質の高い口コミ(UGC)を増やし続けることで、SEOの「独自性」評価を高めると同時に、新規顧客の購入不安を払拭しています。

再訪を促すリターゲティングリストの蓄積

  • 初回訪問で購入に至るユーザーは全体のわずか数%です。そのため、FacebookピクセルやGoogleタグマネージャーを埋め込み、一度サイトを訪れたユーザーをリスト化。
  • 離脱後もSNS広告などで「カートに入れたままの商品」をリマインドする動的リターゲティング広告(ダイナミック広告)が配信できる基盤を整えています。

【用語解説】

  • CDN (Content Delivery Network): 世界中に分散したサーバーからコンテンツを配信し、表示速度を高速化する仕組み。
  • D2C (Direct to Consumer): メーカーが仲介業者を通さず、自社ECサイトなどで直接消費者に販売するビジネスモデル。
  • パララックス (Parallax): 視差効果。Webデザインにおいて、スクロール時に要素を異なる速度で動かし、奥行きを出す手法。
  • アップセル: 顧客により高価な商品や、追加の商品を購入してもらうための営業手法(例:「あと1品で送料無料」)。
  • カゴ落ち: 商品をカートに入れたものの、購入手続きを完了せずにサイトを離脱すること。ECサイトの大きな課題。
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